SSブログ

タイの闇に思うこと [タイ関連]

先日、タイを舞台にした映画『闇の子供たち』を見た。
坂本順治監督、江口洋介、宮崎あおい出演の話題作である。

このシーンはあそこで撮影してる~、江口君のタイ語よりあおいチャンのほうが
上手いかしら・・・などと雑念が入ったのはほんのわずかで、
開始30分もしないうちから、息も詰まるようなシーンが繰り広げられた。

バンコク支局の新聞記者が、タイの子供たちの人身売買を取材するうちに、
生きた子供から臓器を摘出して移植するという衝撃の事実を知る。
ボランティアとしてタイにやってきた若い女性や、フリーターの若者、幼い息子に移植を願う
日本人夫婦が絡んで話は闇の内側へと進んでいく。

お金で売られる子供たちと歳の近い自分の息子のことも頭をよぎり、
ぐいぐいと引き込まれ、辛い、気が重くなる時間が過ぎていった。
この問題を世間に知らせる義務のためにという記者に対し、
知った我々には何が出来るのだろう。
何をしなければならないのだろうか。
無鉄砲で自分の感情をぶつけるだけの女性(宮崎あおいちゃん役)に、
次第に気持ちが寄り添っていく。
子供たちの大きな瞳が印象的で、哀しい。

原作は梁石白の同名小説だが、93年からバンコクに住んだ私もこの話は現地でよく耳にした。
デパートのトイレで子供が消えたという噂は有名で、赤ちゃんをベビーカーに乗せたまま場を離れる
なんてとんでもない事だった。大人の身の私さえ無人のトイレは怖かった。
今現在、売買の対象は、タイから周辺のより貧しい国々の子供たちへと移りつつあるという。

8月2日に公開されて以来100館近くに拡大公開されているそうだが、
タイ国際映画祭で上映禁止されたのは周知のところ。
これに抗議してこの日、坂本順治監督と、タイ人俳優ブラパトン・スワンバン(愛称プラープ)の
舞台挨拶があった。
悪役のプラープは映画と同じヒゲ面で登場。キラキラ光るまなざしが素敵~[ぴかぴか(新しい)]
出演作を今日初めてスクリーンで見たという初来日の彼は、タイの仏教概念を語り多弁だった。
今後、タイの監督や映画関係者に上映を呼びかけていくという。
未だにタイでの上映のめどは立っていない。


コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:グルメ・料理

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。