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神様を歓待したら・・・ [旅行]

11月初めに伊勢に行き、神社仏閣を見て回った。
大学時代の同じ歴史専攻の友人達と一緒で、
このメンバーが集まると、かなりマニアック?な探訪になる。

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伊勢の勢田川沿いに古い蔵や切妻の町屋を残す「河崎」のまち。
江戸時代に水運を利用して問屋街が発展し、
“伊勢の台所”といわれるまでに繁栄、
戦後、陸上輸送に取って代わられ衰退していったが、
近年の町並み保存運動によって、再生が行われているところ・・・・。

このまちを歩いていて、大半の家の玄関に、一風変わった注連縄があるのに気付いた。
まだ年末という時期ではない頃。
         DSC00123z.jpg

真ん中に、「蘇民将来子孫家門」、
右に「七福即生」、左には「七難即滅」とある。

こういうところで引っかかってしまうのが我々(学生時代と同じ!)。
何か意味があるに違いない、どこで調べようか、と話しているところに、
「興味がおありかな?」と謎のおじいさんが自転車を止め、
その由来を話してくださった。

その昔、嫁を探して伊勢にやってきた神様が、大きな家を訪ね一宿を求めた。
だが主人は男の貧しい身なりを見て、近くの「蘇民」の家にでも泊めてもらえと追い払ってしまう。
貧しい「蘇民」はその男を粟飯でもてなした。
これに喜んだ神様は、まもなく北国から疫病がやってくるのを彼に教え、
身を守るために茅の輪を家の周囲に張らせた。
蘇民一族は助かるが、村の人たちは病で倒れてしまう。
それ以来、「我々は蘇民の将来の子孫の家のものだ」と書いた注連縄を
玄関にかけて、災厄を防ぐようになったという。

神様を歓待した人が、災厄を逃れて子孫繁栄するという、言い伝え。
ひとを身なりで判断するなという、現在にも通じる戒め。

バチなんぞ当たりたくない、
誰にでも平等に接しておけばさわりないだろうという、気の弱い私。
おまけに自分ひとりだけ助かるというのも怖い。
蘇民よ、他の人にも教えてあげればよかったのに。
疫病が引いたあとの、村人の蘇民に対する感情は複雑なものだったろう。

折りしも、新型インフルエンザの脅威がしのびよる冬、
パンデミック発生となってしまったら、誰が「蘇民」になりえるのだろう・・・・。

今頃、伊勢では、この特別な注連縄が急ピッチで作られているのかな。

    ~~*~~~*~~~*~~~*

         DSC00100z.jpg

そうそう、念願だった「赤福」をお店で食べました!
混雑する本店の隣にある五十鈴茶屋では、お抹茶とともにいただけるのだ。
も~満足、満足♪
(・・・・・一応、伊勢には仕事で行きました。)

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コメント 2

ちーたん

今はtenkoさんと同じ横浜に住んでいますが、伊勢高校に通っていました。何か不思議です〜。

そういえば、家々の軒先に一年中注連飾りがつけられている事が多いです。一年中なの〜。飾りの中央部には木札が取り付けてあって『笑門』というのもよく見かけます。

歴史にうとい私。tenkoさんが歴史専攻だったなんて。勉強になりましたよ。今度伊勢に行ったら、軒先に目が行ってしまいそうです。

tenkoさんもまた伊勢に、おいでませ。



by ちーたん (2008-12-15 08:52) 

tenko

ちーたんさん、
やっぱり一年中注連縄なんですね~。
『笑門』も見かけました。「笑う門には・・・・」ってことかな~、
と単純に思ってましたが、もしかしてこれにもストーリーがあるかも、
ですね。
さすが、神社の総本山がある町。奥が深いです!

その他にも、そびえ立つ卒塔婆群の金剛證寺、朝熊岳でのアイヌ語っぽい記述とか、興味深かったです。
美味しそうな和菓子店も多いし、
またお伊勢まいりに行かせてもらいます~。
by tenko (2008-12-15 14:54) 

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