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その1~アンコールワットに行った訳 [08年タイ・カンボジア旅行記]

08年夏休み、
恒例のタイに加え、アンコールワットに行った。
旅行先にここを選んだのには、ちょっと訳がある。

初めて訪れたのは、独身の頃のず~っと昔。
いつものように一人旅。

郊外には、ポルポトの粛清で殺害され埋められた人骨を掘り出した穴があり、
拷問が行われたトゥールスレーン刑務所跡では、
頭蓋骨を寄せ集めたカンボジア地図が掲げてあった。
(今は撤去されている。)

アンコールワットは、修復が始まったばかりで、
子供や物乞いが、水や壁画の版画を売りに群がってきた。
回廊は、キンマを噛み潰して吐いた赤いつばが多く残り、
飛び散った血のように見えてぎょっとした。
周囲の遺跡は道が悪く、雨季で水浸しのところへは、
オートバイの後ろに乗って見に行った。
地雷注意のどくろ標識が立っていた。

暑さと砂埃、一人の緊張、人間の残酷さなど、
ぐったりしていた私の心に強く残ったのは、
謎を秘めた穏やかな顔。

         PICT3257a.jpg

アンコールワットの北に、「アンコールトム」があり、
その中にバイヨン寺院がある。
林立する塔の上部に、54の、巨大な観世音菩薩の顔。
全ての表情が違い、
微笑んでいるような、ちょっと困っているような、怒っているような・・・、
見る角度からも、また印象が違う、
クメールの微笑み。

その中の、にんまりと笑っているように見える顔が気に入り、
座り込んで、ずーっと見ていた。
            
それから何年か経ち・・・。
縁あって、大好きな東南アジアのタイに住み、そこで出産し、
出会ったわが子の寝顔が、
あの時の顔にそっくりだと気付いた。

今でも寝顔を見るたびに、本当によく似ていると思う。
何か不思議な縁。
だから、彼に一度見せておきたかったのだ。

さて、実物を見た彼は・・・・。

「そうかなぁ~、それって親バカじゃない?!」

はぁ~、ま、そんなとこだろうとは思ったけどね。
あのね、あの顔がハンサムだっていってる訳じゃないのよ、
と言いたいのをぐっとこらえた。

とにかく彼をここに連れてくることができて、私は満足。

        PICT3286a.jpg

     *写真は息子のカメラから。





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